三振法務博士(30代)の法務日記

30代半ばで最初に就職したときよりも景気が良くなったとはいえ、30過ぎの三振法務博士が就職するのは厳しいです。 根気よくやるしかありません。 私の就職・転職活動についてのメモ書きです。

就職・転職で参考になった本

今日は、就職活動・転職活動で役に立った本を紹介します。

 

面接・自己分析のために

タイトルがキャッチーなので安直な本*1をイメージされるかもしれませんが、内容は充実しています。 

就職・転職活動は、自分という商品を売り込む営業活動だということを認識させてくれた本です。

 

 同じ著者の続編もおすすめです。

 こちらは、自己分析・志望企業の絞り込みに役に立ちます。

自分の軸を確認し、それに合う業界をサジェストしてくれます。

 

 

面接ではウソをつけ (星海社新書)

面接ではウソをつけ (星海社新書)

 

http://pds.exblog.jp/pds/1/201111/24/45/f0138645_21434125.jpg

福満しげゆき先生の帯につられて買ってしまいました。

これもタイトルがキャッチーですが、面接ではできる人間を演じるべきという内容です。

司法試験に敗れ去った人は、ついつい卑屈になってしまいます。。。

しかし、バカ正直に面接で「自分はだめな人間なんで・・・」と言ってはいけません。

逆の立場になれば明らかなのですが、人事部も担当部署も、予算をかけて採用活動を行っている以上、ハズレの可能性のある人物をとるリスクはかけられないのです。仮に採用して、本当にダメ人間だった場合、評価に響いてしまいます。

そんな人物に興味を示して採用してくれるのはワンマン創業社長*2ぐらいでしょう。

したがって、面接では、仕事のできる自分をイメージして臨むことが重要です。

 

 法務の業務を知るために

契約書の見方・つくり方 (日経文庫)

契約書の見方・つくり方 (日経文庫)

 

 法科大学院で一通り法律を勉強してきた人でも、企業法務で取り扱う契約書を見てきたという人はあまりいないと思います*3

これはそういうロー卒の人間が企業法務のイメージをさらっとつかむことのできる本です。

契約書の雛形とそれに対する修正の入れ方が実際に示されており、企業法務の知識を付け焼刃で身に着けるのに最適です*4

 

 

スキルアップのための 企業法務のセオリー (ビジネスセオリー 1)

スキルアップのための 企業法務のセオリー (ビジネスセオリー 1)

 

 契約書のチェックの仕方、担当者へのヒアリングの仕方、先方との交渉の仕方等、企業法務の業務の基本が一通り載っています。

法務職に就く前に読みましたが、法務職についてから読み直すとよりリアリティを感じられました。

 

 

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 03月号 [雑誌]

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 03月号 [雑誌]

 

 ロースクール時代は全然読んだことない雑誌でしたが、ほかの企業法務雑誌よりイケてる企画が多いように感じます。とりあえず、これを読んでおけば、法務業界のトレンドを押さえられると思います。

 

社会人としての基本を身に着けるために

入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

 

 司法試験受験生は、一人で勉強して、一人で結果を出すというのが基本的なスタンスだと思います。

 しかし、仕事をするということは、たくさんのプレイヤーと協働していくということです。

上司の指示を受けたら、その意図をしっかり理解して、納期までに仕事を完成させる。そのためには、他人の力もどんどん利用する。

 そういった、優秀な社会人なら身に着けなければならない姿勢が一通りこの本で述べられています。

 

 ちなみに同じ著者の最新作のまえがきで、この本は「お手軽に作った」という少しがっかりする(?)ことが書かれています。

 

直感を信じる力: 人生のレールは自分で描こう

直感を信じる力: 人生のレールは自分で描こう

 

 

 

*1:実際面接の10分前に読んで役に立つ部分もあります。

*2:一次面接が社長という、そんなどベンチャー企業に挑むのもアリです。

*3:一流ローは知りませんが。。。

*4:就職してから知識経験を積むのは当然です。

履歴書は手書きか?

ホリエモン氏が手書きの履歴書を「やめてほしい」と発言して、議論になっているようですが、我々ロー卒生は履歴書を手書きで書くべきなのでしょうか。


堀江貴文さん、手書きの履歴書は「やめて欲しい」

 

私は、断然、PC打ちを推奨します(WORD、EXCELどちらでもいいと思います)。

 

 理由は①使いまわせる②たくさん書ける③フィルターをかけられるから。 

 

①使いまわせる

また書く機会があるかもしれませんが、基本的にロー卒生は採用で基本的に落ちます!

しかも、書類選考の段階で落ちます!

それでも、仕事にありつくには、ひたすら応募しまくるしかありません。

そんな状況下で、いちいち手書きで書いていたら時間が足りません。

 

私は、募集職種ごとに雛形を作り(法務用、総務用、etc.)、応募企業ごとに簡単にアレンジして提出していました。

 

②たくさん書ける

ロー卒生(特に20代後半以降の人)は基本的に中途採用の募集に応募することになるかと思います。

ライバルは社会人経験のある人材。社会人経験のある人は履歴書にアピールポイントをしっかり書いてきます。

そんな人々に対抗するには、こちらもアピールポイントをしっかり書かなくてはなりません。

手書きだとどうしても量が少なくなってしまい、アピール負けします。

 

③フィルターをかけられる

「フィルターをかける」とはどういうことか?

これは、一定の企業にこちらからお断りを入れるということです。

興味深い記事があります。


全文表示 | 「履歴書は手書きにすべきか」議論に終止符を打つ 結論とその理由は…… : J-CAST会社ウォッチ



この記事によると、約7割の企業が履歴書が手書きだろうと気にしていない、

3割の企業は手書きが有利と答えています。

 

その3割の企業が手書きを好ましく思う理由は、

・人となりがわかる
・漢字が書けるか、丁寧な文字が書けるかが大事である
手書きは心がこもっている
・応募に際しての熱意が判定できる

 というかなりオカルティックなもの。

(自分で言うのもなんですが、私かなり達筆なんですが、心は汚れきっています。)

そんな合理的でない企業に入って、いい仕事ができるのでしょうか。

ロー卒生みたいな屁理屈マシーンロジカルな人材はウザがられるの間違いなしです。

 

参考までに、はてなダイアリー手書き否定派・肯定派の記事のリンクを貼っておきます。

 

履歴書手書き否定派


履歴書が手書きの奴は採用候補に入れたくない

 

履歴書手書き肯定派


履歴書はちゃんと手書きで書こうよ、就活生クンたち!

 

もちろん、老舗企業など、手書き指定*1のある場合で、その企業にぜひ行きたいという場合にまであえてPC打ちで出す必要はありません。

 

なお、履歴書とセットで提出する職務経歴書手書きで提出するという話は聞いたことがありません。

 

*1:一部の企業では応募が殺到するのを防ぐために絞り込みの意味で手書き指定をしているそうです

情報収集の方法

就職活動において、いうまでもなく情報の収集は非常に重要です。

 

企業の情報を知らなければ、志望動機も書けませんし、面接で討ち死にすることにもなるでしょう。

 

また、マイナスの情報を仕入れることで、いわゆるブラック企業*1に入ってしまうことも防げます

 

なにより、自分の入る企業の情報を知らずに入社するなんて、とんでもないギャンブルでしょう*2

 

情報を収集するうえで、私が実際に利用していた方法、就職後思いついた方法を列挙してみます。

 

今更言うまでもありませんが、ググるのは基本中の基本です。

企業名」で検索するのはもちろん、「代表取締役」で検索をかけて、気になる情報をピックアップします。

 

時間があれば、そこから深堀してもいいですし、会社のサイトのお知らせやニュースにある会社の新サービスについて調べるのもいいと思います。

 

  • 会社のサイト

志望企業のサイトを調べるのもマストです(わざわざ言うまでもないとは思いますが)。コーポレートサイトとサービスサイトが別になっている企業も多いので、両方見ておきましょう。

 

コーポレートサイトでは特にIR情報を見ます。

上場企業の場合は、有価証券報告書が掲載されているので、それはチェックしておくとよいと思います。

 

有価証券報告書の「事業の概況」「事業のリスク」から、その会社の問題意識を予想して、それに対する法的問題点を想像してみるのもよいと思います。

 

また、社員の平均年齢平均勤続年数から、社風を想像してみるのもいいかもしれません。

(例)平均年齢40代後半なら平均年齢の高い老舗企業

   平均勤続年数3年未満なら人が定着していない会社

   一概にはいえませんけれども、、、

 

転職口コミサイト。登録しなくても点数はわかりますが、詳しい情報はわかりません。詳しい情報を得るためには登録して、1社につき500ポイント(=500円)消費する必要があります。しかし、転職会議に登録し、ワークポートからくるスカウトに応じると20000ポイントもらえることがあります!これがあれば40社調べられます。あと、自分の経験した会社の情報を提供すれば500ポイントもらえます。経験した会社は、バイト・派遣でもよいので、どんどん提供しましょう。

 

こちらも、転職口コミサイト。やはり、登録しなくても点数はわかりますが、詳しい情報はわかりません。登録して、ビズリーチJAC等に登録すれば、詳しい情報が見られるようになります。だから、先にビズリーチやJACに登録しないほうがよいと思います。

 

転職界のGoogle。求人情報が機械検索で集められています。

ただ、ノイズのような情報も拾っているので、なかなかピンポイントで情報を仕入れることは難しいかと思います。

 

登記情報をネットで確認できます(1件337円)。IRのない会社の情報を得られます。登録が結構めんどくさいですが(申込んでから使えるようになるまで結構時間がかかる)。嘘情報を公開している、どブラック企業対策になります。

なお、法務局に行っても、登記は取れますが、時間がかかりますし、当該会社の情報を上げるのにコツがいるので面倒くさいです。お金も600円と割高になります。

 

ここまでやるかは議論のあるところですが、会社情報はしっかりとれます。

会社で与信調査をする際に、東京商工リサーチhttp://www.tsr-net.co.jp/)とともに活用しています。これは、自分が就職してから思いついた方法です。

 

上場企業の情報が載っています。各社簡単なコメントが付いています。

本屋での立ち読みで十分でしょう。一行コメントを見ておくだけでも違ってくるとおもいます。

 

 

ただし、 情報はあくまで参考です。実際に行ってみないとわからない部分も大きいので、あまり振り回さるのは得策ではありません。

 

しゃれで面接に行ってみる気持ちも重要かと思います。

*1:ブラック企業」の定義はむずかしいところです。業務がエグければ、それだけ早く成長できる可能性もあります。ただ、だれでもできる仕事を長時間こなしても成長はしないと思います。

*2:十分に調べたつもりでも、現実とはギャップがあるものなんですが・・・

WEB転職サイトの利用

人材紹介会社が利用できない人はもちろん、人材紹介会社を登録した人も、

WEB転職サイトは利用しましょう。

 

公募なので玉石混交ですが、就職・転職界の相場感覚をつかむことができます

 

 

更新日に即チェックすることが重要です。

自分の在籍した企業の人事が言っていましたが、募集開始直後の応募は、

人事も自社の相場がつかめていないので、とりあえず会ってみようという感覚になるそうです。

 

最初は登録するのが面倒に感じますが、一度登録すればあとは使いまわせますので、

一気に登録してしまうのが良いと思います。

 

以下、代表的な転職サイトを紹介します。

 

業界最大手。非常にたくさんの求人が掲載されています。

しかし、大手すぎて1人の募集に1000人の応募があることもざらとか。

ここで採用にこぎつけるには運の要素も重要かもしれません。

とはいえ、ここを無視するのは得策でありません。

 

業界2番手。

リクナビにない求人も多いように感じます。

私はここで2社目を見つけました。

また、今回もう一件内定をもらった会社もここで見つけました。

 

上記2媒体の特色はよくわかりません。が、業界大手です。

 

いろいろな媒体・人材紹介会社をまとめたサイトです。

ここに登録すると中小の人材紹介会社からスカウトがくることがあります。

 

ベンチャー系が多いです。条件に合う案件を見つけるのが簡単。応募も簡単。おススメです。

 

ベンチャー系が多いです。自分に合う案件を自動的に提案してくれます。

条件に合う案件を見つけるのが簡単です。応募も簡単。

ここもおススメです。

有料サービスもありますが、有料サービスを利用しなくても十分と思います。

 

ご存知ハローワークのインターネットサイト。

空求人が多いといううわさもありますが、地方の優良企業などで、求人はハロワ経由でしか出さないという企業もあり、お宝求人もあります。

ただし、そういうお宝求人はすぐに募集が締め切られるので、見つけたらすぐ応募しましょう。

ハロワに登録しなくても利用できますが、登録後でなかったり、ハロワに行ったりしないと詳細がわからない案件があります。

 

 

ところで、よくロースクール卒業生に聞かれることがある質問に「いくつぐらいのサイトに登録すればいいのですか?」というものがあります。

 

私の回答は「全部登録してください」です。

 

一つのサイトにしか登録しない人は、それだけ就職・転職の機会を損失しています

 

すべての転職サイトに登録する企業は限られています。

転職サイトに登録するには、けっこうなお金がかかります。したがって、超一流の大企業以外は一部のサイトにしか登録しないのです。

それなのに、リクナビにしか登録していない人は、本気で就職・転職する気があるのか疑問に思います。

まずは、社会への第一歩を進めないといけない我々はそんな悠長な構え方ではいけないのです。

 

とはいえ、私も最初はリクナビにしか登録していませんでした。

討ち死にしまくって、考えを改めました。

人材紹介会社の利用

ロースクール既卒生が就職・転職活動をしようと思うと、

人材紹介会社を利用、②WEBの転職サイトを利用、というのが、基本的には軸になると思います。(あとは、③直接応募という方法もあります。)

 

今回は①人材紹介会社について説明しようと思います。

 

人材紹介会社

人材紹介会社は、求職者を企業に紹介し、労働契約が成立したらその労働者の年俸の何割かを手数料としてもらうというビジネスモデルで事業をしています。

 

したがいまして、労働法を選択していた人はわかると思いますが、こちらが料金を取られることはありません(紹介会社は報酬を相手方の会社からもらう、だいたい年俸の3割ぐらいとか)。

 

企業側からすると実際の人件費に手数料を載せて採用しなければならないので一見割高にも見えますが、次回紹介するWEB転職サイトの掲載料もなかなか高いので、トータルで見ると人材紹介会社のほうが企業にとって割安になる可能性があります*1

 

人材紹介会社に登録すると、求職者個人にエージェントがついて、経歴・スキルに見合った仕事を紹介してくれます。

また、面接の日程調整、条件設定など細かい交渉はエージェントがやってくれます。

時には、企業研究の手助けとなる資料をくれることもあります。

いいエージェントにあたると、非常に活動がスムーズになります。

 

ただし、エージェントはあくまで営業マンです。

就職意欲の乏しい人*2、企業が興味を示さなさそうな人を相手にしても、営業成績に反映しないので、案件を紹介してくれません。登録すら拒否されることもあります*3

ロースクールを卒業したまじめな人はここのところをしっかり理解しておいてください*4

 

 

会社・エージェントによっては、意に沿わない仕事を押し付けてくることもあります。向こうも仕事ですのである程度仕方ありません。

自分の希望・状況をしっかり考え、取捨選択することが重要になるかと思います。ただ、応募したのに大した理由もなく一次面接を拒否するとかなり印象が悪くなります。

 

以下、代表的な人材紹介会社を紹介します。

 

業界最大手。案件もおそらく最大。

案件がとりあえず多い、エージェントに別のサポートスタッフがついているので連絡が早い。職務経歴書を簡単に作れるフォームがあるのでらくちん。

今回の転職はここで決めました。 

 

管理系(法務・財務)に強い。ロースクール生の事情に詳しく、ロースクール既卒生の案件もかなり手がけているという印象を受けました。

レアな案件も持っているようです。

 

DODAのエージェント部門。ほとんどリクルートエージェントと同じ案件しか持っていないという印象です。

 

IT業界に強いらしい。僕にとってはいまいちでしたが、転職会議のポイントをもらえることがあるので登録しておくメリットはあります。ただし、直接登録したらポイントをもらえないので、転職会議経由で登録しましょう。

 

外資系に強いらしい。自分は利用したことがない(3年前に門前払いされた!!)のですが、サービスがきめ細やかだとか。

 

司法試験受験生に特化した人材紹介会社です!

他が見捨てた人材にも手を差し伸べてくれる?!

少なくとも門前払いはないと思います。

司法試験受験生にありがちな「履歴書のネタがない」「志望動機が書けない」といった問題の解決法を蓄積しているように感じました。

 

あと、ここが関与している「ぶるぺん」というNPOはロー卒社会人とお手軽に触れ合う機会が持ててるのでおすすめです!

*1:人材紹介会社の方で一次の書類選考を行うので、自社の人事部の手間も省けます。

*2:たとえば「民間か公務員か悩んでいるんです」とか言ってしまう人ですね。

*3:私も恥ずかしながら最初の就職活動の時は門前払いを食らいました。

*4:登録できなかった場合は、めげずにWEBの転職サイトなど別の方法を考えなければなりません。

はじめに

こんにちは。


30代後半の元司法試験受験生です。

 

数年前、ロースクールは卒業したものの、司法試験に三振してしまい、路頭に迷うことになりました。


アルバイト経験はあるものの、正社員としての職歴もなく、年齢も年齢(当時30代半ば)なので、なかなか就職できず、非常に苦しい思いをしました。


その後何とか就職し、何度かの転職を経験し、現在はとある企業で法務の仕事について、健康で文化的な最低限度の暮らしは保っています(ウハウハといいたいところなのですが、そこまではまだいっていません)。


私の経験を記録し、同じような環境の人の参考になればと、ブログを始めてみようと思います。