【書評】一人広告代理店法務に必携の一冊
未経験者が比較的入り込みやすい業界に、Webプロモーション(Webマーケティング)業界があります。
当然、そういった会社にロー卒生が入った場合、一人法務となることが多く、いきなり実戦に投入された法務担当者は、業界にどういった法的論点があるのかわからず、戸惑うことになります。
そんな法務担当者の救いの手となりそうな書籍が出たので、紹介します。
電通の法務部が、総力を挙げて(?)記された本です。
最近は、別の分野のコンプライアンス問題で話題の同社ですが、底力はさすがといった印象を受けます。
特徴としては、
①広告を扱ううえで問題となる論点を一通り抑えている
②インターネット広告についても1章を割いて詳しく解説している
といったところが挙げられます。
特に、①がおすすめポイントで、これにより、
とりあえず、論点の当たりをつけることができる=ビジネスサイドからの相談にある程度即答できるようになります。
そして、論点の当たりをつけられるので、あとはどういった本を調べればよいかわかります(外部専門家にも相談しやすくなります)。
また、 公職選挙法と広告 や 弁護士法と広告 といったややマイナーな問題についても一通り触れられているのが良いです。
このあたり、Webプロモーション業界にいると、けっこう必要となってくる知識です。
さらに、広告で問題となる著作権法の論点についても、1章割かれているので、知財選択以外のロー生にとっては、著作権法入門的*1にも使うことができると思います。
広告業界に身を置く法務担当者であれば、とりあえず購入し、デスクに置いておいて損のない一冊だと思います。